神奈川県・RINK・メルク共催セミナー NGSワークショップin 東京
NGS Applications in Biopharma Industry-バイオ医薬品開発・製造において次世代シーケンシング(NGS)は主流となるのか?
日 時:2025年5月20日(火)13:00-17:00(17:00~情報交換会)
*12:30開場いたします。
会 場:御茶ノ水ソラシティ カンファレンスセンター1階RoomB(東京都千代田区神田駿河台4-6)
*本イベントは、現地開催のみとなります。オンライン配信はございません。
定 員:90名
言 語:日本語 / 英語*同時通訳有(予定)
共 催:神奈川県 かながわ再生・細胞医療産業化ネットワーク(RINK) メルク株式会社
参加費:無料
◆参加申込:事前登録制となります。以下Peatixよりご登録をお願いいたします。
https://ngs-seminar2025.peatix.com
※本セミナーの趣旨により、個人の方、医薬品製造業に関わりの無い一般の方、講演者のご同業の方等、一部ご参加をご遠慮いただく場合がございます。予めご了承くださいますよう、お願い申し上げます。
プログラム:
主催者挨拶 かながわ再生・細胞医療産業化ネットワーク(RINK) 原田 憲一
講演① 次世代シーケンシング技術を活用したウイルス安全性試験法の性能評価
国立医薬品食品衛生研究所 再生・細胞医療製品部 第四室 室長 河野 健 氏
講演② メルクBioReliance®コントラクトテスティングサービスNGS担当者による講演※
講演③ メルクBioReliance®コントラクトテスティングサービスNGS担当者による講演※
講演④ メルクBioReliance®コントラクトテスティングサービスNGS担当者による講演※
※以下をテーマに講演予定(計3テーマ)
Current trends of NGS applications in biopharma industry
■Which are the areas that NGS has been utilized as an advanced method to generate CMC data
■Case studies of NGS applications and filing
Recent regulatory guidance and updates on use of NGS for CMC QC testing
■Latest regulatory guidance and expectation for NGS method validation
■Sharing our experience as a global CTO to support biopharma companies on the adoption of NGS assays, filing and addressing regulatory feedback
Considerations to implement NGS for the detection of adventitious viruses
■Understanding of various NGS approaches (transcriptomics vs genomics vs viromics) and their appropriate applications
■Addressing the need for spiking study to demonstrate matrix-specific limit of detection
講演⑤ NGSが拓く次世代バイオ医薬品開発
Accelerating Next-Generation Biopharmaceutical Development with NGS
株式会社ジーンベイ 代表取締役 上村 泰央 氏
注:講演の順番は変更となる場合がございます。予めご了承ください。
[スピーカー]
河野 健 氏
国立医薬品食品衛生研究所 再生・細胞医療製品部 第四室 室長
生物由来製品のウイルス安全性に関する研究に従事
本講演の要旨:生物由来原料を用いて製造されるバイオ医薬品等に関する安全性への懸念の一つは、ウイルス等の感染性因子による製品の汚染である。これまで、バイオ医薬品等のウイルス安全性はICH Q5A (R1) 等のガイドラインに沿って確保されており、培養細胞や小動物等を使った複数のウイルス試験方によって評価されてきた。2019年から始まったICH Q5A (R1) の改訂議論は、2023年11月に改訂版第2版 (R2) が最終化され、合意に至った。今回の改訂における変更点の1つに、ウイルス安全性評価に次世代シーケンシング (NGS) 技術を活用できるようになったことが挙げられる。非常に強力かつ画期的な技術であるNGSは、ライフサイエンス研究に革命的な変化をもたらしており、製薬業界においても薬剤スクリーニングやコンパニオン診断など、様々な場面で活用されている。しかしながら、我々が調べた限りでは「ウイルス安全性評価におけるNGSの活用」について、国内の製薬業界や規制当局の関心は高いとは言えなかった。
一方、欧米ではQ5A改訂の議論が始まった2019年以前から、バイオ医薬品等のウイルス安全性評価にNGSを活用する議論が産学官で進められてきた。NGS利用の議論を後押しする背景として、動物実験に関して「3Rの原則」(Refinement, Reduction, Replacement) を遵守しようとする意識が欧米ではとても強いことが挙げられる。従来、Q5Aではセルバンクに対する試験として、抗体産生試験やin vivoウイルス試験のような動物の個体または胚を用いたウイルス検出試験を実施することが求められてきたが、Q5A (R2) ではこれらの試験をNGSなどの分子生物学的試験に置き換えることができるようになった。これにより、近い将来、欧米では動物を用いたウイルス試験を使って開発・製造された医薬品が受け入れられなくなることが現実味を帯びてきている。
しかしながら、バイオ医薬品等のウイルス安全性確保を目的として、再現性や信頼性が確保されたNGS試験を構築することは非常に高いハードルである。試験の性能評価ならびに試験に必要なウイルス標準品の整備及びNGSから出力されたデータを照合するための参照ウイルスデータベースの整備などが、喫緊の課題となっている。現在、Advanced Virus Detection Technologies Working Group (AVDTWG) をはじめ、いくつかの国際組織・団体でNGS導入に向けた議論や検証試験が行われている。本セミナーでは国立医薬品食品衛生研究所で行なっているウイルス安全性評価におけるNGSの性能評価に関する研究や発表者がco-chairを務めているAVDTWGの取り組みについて紹介する。

Mr. Bradley Hasson
Director of Lab Operations for Next Generation Sequencing Services, Contract Testing Services, Merck KGaA
Brad Hasson is the Director of Lab Operations for Next Generation Sequencing Services. Brad leads a global team of Scientists, laboratory technicians and bioinformaticians that perform NGS-based biosafety testing services in support of product characterization, adventitious agent detection and product release worldwide. He has over 15 years of experience developing, implementing, and commercializing molecular-based methods for the purposes of biosafety testing and characterization in a variety of biologically derived products.

Dr. Leyla Diaz
Technical Consultant, Contract Testing Services, Merck KGaA
Leyla Diaz is a Technical Consultant in Scientific and Regulatory Consultancy for BioReliance® Contract Testing Services at MilliporeSigma. She provides scientific and regulatory support in biosafety testing and characterization of biological therapeutic products for US customers. She has 18 years of industry experience in product development of therapeutic antibodies and assay development for large molecules and vaccines. Leyla received her doctorate in Microbiology from the University of Maryland, College Park followed by a postdoctoral fellowship at the University of California, San Francisco.
Note: The Life Science business of Merck operates as MilliporeSigma in the U.S. and Canada
注:講演②~④の要旨は後日Uploadいたします。
上村 泰央 氏
株式会社ジーンベイ 代表取締役
1997年電気通信大学情報工学科修士課程修了後、アカデミア、ゲノム創薬ベンチャー企業にてバイオインフォマティクス研究に従事。次世代シーケンサーが登場した2007年以降、国内において次世代シーケンシングの受託サービスを展開するとともに、日本PDA製薬学会バイオウイルス委員会への参画を機に、NGS技術をバイオ医薬品の開発・製造に応用することを目指して活動を行なっている。
本講演の要旨:次世代シーケンシング(NGS)は生体試料中の核酸配列を網羅的に検出できる技術であり、コスト、正確性、迅速性のいずれにおいても近年目覚ましい進歩を遂げている。バイオ医薬品の開発・製造においてNGSは非常に重要なツールとして既に活用されているが、ICH Q5Aガイドラインの改定により、ウイルス安全性試験へのNGSの活用が推奨されるなど、今後バイオ医薬品の開発・製造プロセスにおいてNGSの活用がさらに促進されることが期待される。
本講演では最新のNGS技術を概観し、ウイルス検出解析やmRNAワクチンの品質解析など、NGSの応用例を紹介する。最後に、リアルタイム解析を実現するナノポアシークエンシング技術がバイオ医薬品の製造工程にどのような変化をもたらすのか、その可能性について議論する。